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ベルリン都市と建築−特集:中庭探訪
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さまざまな用途 【2005年11月29日】

 さて実際に中庭はどのように使われているのだろう。ここに挙げたのは一例に過ぎないが、典型的なもの、意外なものなどを挙げてみた。この他にも興味深い使用法が見つかれば、記述を追加していきたい。【長嶋】

ゴミ箱置き場として
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分別回収用各種ゴミ箱


 中庭に集塵箱を置くのは、ベルリンのみならずドイツで最も一般的な中庭の利用法であろう。戦後に作られた団地や一戸建ての邸宅には、中庭がないことも多いが、中庭がある集合住宅なら、ときには見苦しい集塵箱を街路から見えないところに置くことができ、都市は美観を損なわない。落ち葉や刈られた芝を詰めた袋や空き瓶を集めるためのボックスが街路に置かれあるいは設置されていることはあるが、「ゴミの日」に回収を待つゴミ袋が街路に並んでいるということはベルリンではまずない。中庭に置かれた集塵箱の中身は定期的に回収されるのだが、集塵箱には車輪がついており、清掃局のスタッフが、街路へと続く通路をゴロゴロと転がして運んで行っては空の集塵箱を置いて行く。アパートの住民に朝を告げる音でもある。

子供遊び場として
準備中
遊び場
(シャルロッテンブルク地区)
 ある程度面積に余裕があれば、中庭に滑り台やブランコといった子供の遊び場が設置されているのもある。遊ぶのは、その住宅に住む家族の子供なのだろうが、街路に出なくても子供を遊ばせる場所があるのは、幼い子を持った親には有り難いだろう。写真の例はかなり例外的な大空間だが、建物に囲まれた敷地に日本の児童公園ほどの遊び場がある。ここにはもともと建物があったのだろうが、爆撃にでもあったのか、そのまま空き地として残ったようで、今は幼稚園の遊び場として利用されている。

庭園として
準備中
喫茶店klickから
(シャルロッテンブルク地区)
 中庭であれば、「庭」として観賞用に草木や石組みのレイアウトが施されているところもある。壷庭といった感じのものから、かなり大きな木が生えていて、外の世界の季節感を伝えてくれるようなものまである。そのような庭の管理は、多くの場合、アパートの管理人の仕事となる。閉鎖された空間で四季折々の眺めを楽しませてくれるのは良いのだが、芝を刈ったりするとなるとかなりの騒音が中庭に響き渡る。管理費は家賃に含まれるわけだから、人工の自然を楽しむのもただではない。

工房、事務所として
 今は少なくなったが、19世紀に都市で工業化が始まったときには中庭に面した建物が町工場、作業場になった例も少なくない。そのような場合には街路から続く入口はかなり大きくとられて、原料を運び入れ、製品を搬出するための車両も通れたはず。車両が揺れて周囲の壁に当たって傷つかないように通路の床に車輪用の溝、レールが敷かれた例もよく目にする。現在では中庭を駐車場に利用している建物も多いが、通路の床にある溝は昔の名残かもしれない。
 ベルリンの工業化時代はまさに工場と住宅が背中合わせになっていたわけだが、当然のことながら作業場からの騒音、悪臭、粉塵は街の環境を悪化させた。ベルリン西部、西南部の住宅地は、都市中央の環境悪化を嫌って逃げ出した富裕層の住宅によってできた街だ。現在では、環境悪化に繋がるような作業場が住宅地に残っていることは珍しいが、以前の作業場を事務所として利用してるようなケースは今でもある。筆者もそのような場所を利用した翻訳事務所に通ったことがあったが、天井が低かったり階段が急だったりと、住宅用に作られた建物ではないことは直ぐに分かった。当時は騒音の源であったのだろうが、現在は逆に街路の騒音の侵入を防げるために、知的作業に適している。

飲食店、商店、ショッピングモールとして
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ハッケシェ・ヘーフェ
(ミッテ地区)  撮影:佐藤
 中庭は通常、通路で街路とだけ繋がっているのだが、ロの字型の建物がいくつか隣接していて、それらの中庭同士を繋ぐとちょっとした迷路のようになり、中庭に面した部屋に商店を設置するとショッピングモールにもなる。通路の繋げ方にもよるが、迷路状となった通路はお客を容易に外に逃さず、購買意欲をかき立てるにはうってつけとも言える。1908年に完成したハッケシェ・ヘーフェは、8つの中庭を繋いだヨーロッパ最古の職住複合建造物だが、ドイツ統一後回収されて商店、飲食店、映画館などが営業するショッピングモールとして観光客を集めている。



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